2020年秋冬ウィメンズランウェイコレクション
パリのユネスコ世界遺産センターで発表されたこのコレクションのテーマは、「ファッションと遊ぶことを愉しむ」。未来を映し出すために過去を見つめる―。クリエーティブディレクターのジョナサン・アンダーソンは、スペインの図像が示す飾り気のなさと華麗さを共に取り入れることで、威厳がありながら、辛辣でもある誇張された形状を構想しました。
極端なまでにボリュームがあり、吊り下げられ、落とされ、巧みにつくり上げられたデザイン。さまざまな質感の共存が、粗雑さと光沢、豪華さと実用性、ウールとブロケード、丈夫なコットンとジャガードシルク、しっかりとした表面と大胆なパターンの融合の中で極限化されています。
宝石で飾られた靴クリップで彩られた、パンプスとスニーカー。スエードとカーフのハンモックトートには威厳と丸みが対等に存在し、遊び心はあくまでも率直に、ボーイッシュな領域までをも追求します。クチュールの陽気な喜びは、ある超現実的な状況で生じるのです。
陶芸家、桑田卓郎氏とのコラボレーション
本コレクションでは日本の陶芸家で、ロンドンで発表されたロエべファンデーション クラフトプライズの特別賞受賞者である桑田卓郎氏とのコラボレーションが実現。形状の不安定さ、伝統との曖昧な関係、極めて個性的な色使いを特徴とするその作品が、ドレスやフラメンコクラッチのドローストリングにあしらわれています。
不規則に形作られた頑丈な陶芸のピースは、ドレスの彫刻的なドレープやクラッチの柔らかく構造化されたシルエットに、遊び心を加えます。