最初の店舗
当初は「E. Loewe」という名のもと、19世紀後半のマドリードで最もファッショナブルな通りのひとつ、プリンシペ通りに大型の店舗併設型の工房を設立します。「上質な革製品の工房」と称され、あらゆる種類の革小物を制作し、女性用ハンドバッグのデザインも開始しました。
ロエベの2代目オーナー、エンリケ・ロエベ・ヒントンは、アルフォンソ13世からスペイン王室公認業者として認定される栄誉を授かります。
ロエベは、マドリード中心部のグランビアに旗艦店をオープンします。著名な建築家フランシスコ・フェレール・バルトロメが手がけたこの店舗はその後、印象的な半円形の窓を追加して刷新されました。歩行者の店内への視線を遮ると同時に製品を際立たせる、大きなカーテンのひかれたもので、ラグジュアリーで洗練されたロエベのイメージの構築に貢献しています。
ロエベは、マドリード中心部のフェロカリル通りに、最先端のレザークラフト工房をオープンしました。レザークラフトの学校も創設され、体系的なシステムのなか、知識が教師から生徒へ、世代から世代へと受け継がれています。
顧客たちの物語
当時のマドリードは、国際色豊かな魅力に満ちた、広く世界に誇る都市でした。伝承によれば、著名な作家アーネスト・ヘミングウェイは、滞在中に俳優のエヴァ・ガードナーにロエベのバッグを贈ったとされています。ロエベの顧客リストには現在、モナコのグレース王女を含む文化的著名人や影響力のある王族が名を連ねています。ロエベ グランビア店のサイン帳は大切に保存されており、そうした顧客たちが訪れた証を残しています。
ロエベは、初のウィメンズ レディトゥウェアを発表します。
そして同年、マドリードのゴールデンマイル地区のセラーノ通りに店舗をオープンしました。その後、ビルバオ、バレンシア、パルマ・デ・マヨルカ、セビリア、グラナダ、コルドバ、ラス・パルマス、テネリフェ島、タンジェ、そして王室の伝統的な避暑地であるサン・セバスティアンにも立て続けに新店舗をオープンしました。
ロエベはロンドンに進出し、オールドボンドストリートに店舗をオープンしました。
デザイナーのビセンテ・ベラは、4つの「L」からなるロエベのアナグラムモチーフを創案しました。これは、かつてこのブランドが高品質のレザーにエンボス加工を施すために用いた印章からインスピレーションを得たものです。
1960年に初めて発売されたウィメンズ レディトゥウェアのコレクションは、現在では世界中で展開されています。1970年代、ロエベは世界的に拡大してゆきます。ブリュッセル、香港、ホノルル、東京、シンガポール、大阪などの都市に、店舗と販売店を展開しました。
ロエベはメンズ レディトゥウェアを発表しました。
ルイ・ヴィトン(後のLVMHグループ)がロエベの株主に。この時期、ロエベはシドニー、パリ、ニューヨークなどの主要都市に店舗を構え、世界中に展開していきました。
創立150周年を迎えるとともに、ロエベはLVMHグループ傘下となりました。マドリード郊外に新たなファクトリーをオープンし、経営の近代化を図りました。
ロエベ財団はスペイン政府による最も権威の高い褒賞であるメリット・ファインアート部門金メダルを受賞しました。
ジョナサン・アンダーソンがクリエイティブ ディレクターに就任。ロエベはデザインスタジオ M/M (Paris)とのコラボレーションによる新たなアイデンティティを発表しました。アンダーソンによる最初のコレクションキャンペーンは、伝説的な写真家スティーブン・マイゼルが撮影しました。
パズルバッグが登場し、瞬く間にロエベのアイコンに。75のレザーパーツからなる、独特なキューブ状の構造が特徴のパズルバッグは、多彩なサイズ、カラー、レザー、アレンジが展開されました。
ミラノサローネ
ロエベは、ミラノのデザインフェア「ミラノサローネ」で初のインスタレーションを展示しました。このプロジェクトでは、20世紀初頭のオーク材の家具にレザーマルケトリーを施した作品を通して、ロエベの緻密なクラフトを披露しました。その後のミラノサローネでは、2019年にロエベ バスケット、2022年に〈Weave, Restore, Renew〉、2023年にロエベ チェア、2025年にロエベ ティーポットの展示が行われました。
イビザ島の伝説的なブティックであるパウラズとのコラボレーションにより、最初のパウラズイビザ コレクションを発表しました。ボヘミアンな海岸沿いのスタイルと、パウラズの遊び心のあるアーカイブプリントを融合させたこのカプセルコレクションは、エフォートレスな夏のウェアとアクセサリーを毎年展開しています。
カプセルコレクション
2017年のウィリアム・モリス、続いて 2018年のチャールズ・レニー・マッキントッシュ、2019年のウィリアム・ド・モーガンなど、アーツ&クラフツ運動の中心的人物へのオマージュを込めて、シーズンごとのカプセルコレクションを発表しました。冬に発表してきたこれらのコレクションを発端に、歴史的なアーティストの作品、美学、功績を復活させ、ウェア、バッグ、アクセサリーの現代的なコレクションを通じて彼らの不朽の創造的ビジョンを再解釈してきました。その後のプロジェクトでは、日本人陶芸家の桑田卓郎、アメリカ人アーティストのケン・プライス、イギリスの陶芸家バーナード・リーチにインスピレーションを得たコレクションが展開されています。
カサロエベのコンセプトは、カサロエベ マドリードから本格的にスタートしました。ロエベのファッションコレクションにアート、クラフト、デザインが散りばめられた空間となっています。洗練され、パーソナルで、文化との豊かな出会いにあふれたカサロエベは、まるで温かな個人の邸宅のようにデザインされており、拡大を続けるロエベのアートコレクションを展示しています。展示されている絵画や彫刻、クラフト、家具からは、芸術形式間の流動的な関係を見てとることができます。季節ごとに入れ替わりながら、常に移り変わるインスタレーションとなっています。
ロエベは、菜園の生命力からインスピレーションを得たホームフレグランスのコレクション、ホームセンツを発売。キャンドル、ディフューザー、スプレーを展開するこのコレクションには、ビートルート、トマトリーフ、オレガノ、コリアンダー、ラシャスピー、マリファナ香、ハニーサックルなどの香りが揃います。
同年、ロエベのパフュームコレクションは「ボタニカルレインボー」としてリニューアル。既存の象徴的なフレグランスが、色をベースとしたシリーズとして再解釈されました。虹のように彩り豊かな香りのラインナップを揃え、特徴的なブロック型ボトルに収められています。
サープラス プロジェクトのスタートとして、これまでのロエベ コレクションからの高品質な余剰レザーを採用した、ウーブン バスケットバッグのシリーズが発表されました。このシリーズは、ロエベのシーズンコレクションにおける環境に配慮した実践の重要性の高まりを示しています。循環性を高め、廃棄物を最小限に抑えながら、貴重な資源から美しいものを作る機会となりました。
ロエベ財団 / スタジオ・ヴォルテール賞は、ロンドンを拠点とする非営利の現代アートスペース、スタジオ・ヴォルテールとのコラボレーションにより設立されました。この賞は、新進気鋭で未発掘のアーティストが、新型コロナウイルスの影響によって直面する課題に応えるために設立されたもので、スタジオスペースの無償レンタル、専門的な能力開発の機会、奨学金の授与を通じて、7人のアーティストに2年間のサポートを提供します。
名作アニメ『となりのトトロ』(1988年)と『千と千尋の神隠し』(2001年)に続き、スタジオジブリとの3度目にして最後のコラボレーションとなる『ハウルの動く城』のカプセルコレクションを発売しました。ロエベとスタジオジブリに共通するクラフトとストーリーテリングへのコミットメントを称えるこのコレクションでは、精緻なクラフトによるウェアやバッグ、アクセサリーの数々を通して、印象的なキャラクターや映画のシーンが現実の世界にいきいきと表現されています。
リンダ・ベングリス
先駆的なアメリカ人アーティスト、リンダ・ベングリスによって、2024年春夏メンズおよびウィメンズのランウェイショーのために、記念碑のようなブロンズ彫刻のインスタレーションとジュエリーの限定コレクションが制作されました。
〈CRAFTED WORLD〉上海
ロエベ初の大型展覧会〈CRAFTED WORLD〉を、上海展覧センターにて公開。ロエベの豊かな歴史、スペインというルーツ、クラフトへの献身を称える本展。19世紀に設立されたマドリードのレザー工房から、世界有数のラグジュアリーファッションブランドに成長するまでのロエベの変遷を没入的に体験することができます。アイコニックなデザインをはじめ、ロエベのアイデンティティを形成してきた文化的コラボレーションの数々が紹介されました。
メットガラ
ロエベは、2024年春にメトロポリタン美術館で開催されたコスチューム・インスティテュートの特別展〈Sleeping Beauties: Reawakening Fashion(眠れる美への追憶:ファッションがふたたび目覚めるとき)〉のスポンサーを務めました。 アナ・ウィンター、グレタ・リー、ジェイミー・ドーナン、テイラー・ラッセル、ジョシュ・オコナー、アイオウ・エディバリー、ダン・レヴィ、ルカ・グァダニーノ、アリアナ・グランデらゲストが、メットガラのために制作されたロエベのカスタムルックを着用しました。
ジャック・マッコローとラザロ・ヘルナンデスが、ロエベのクリエイティブ ディレクターに就任。クラフトに対する知的で遊び心あふれるアプローチ、スペインのライフスタイルが持つ官能的なエネルギー、ロエベのレザーにおける卓越した専門性に基づいた、新たな章を切り開いています。
創立180周年を迎えたロエベは、アートとしてのクラフト、ツールとしての想像力、個性的な遊び心に彩られた約2世紀にわたる歴史を称えます。ロエベは、サッカースペイン代表男女チームとの4年間のパートナーシップ契約を結びました。