いい波は自分から

探しに行く。

――松田詩野


波を乗りこなし、ライディングテクニックを競うサーフィン競技。プロサーファーとして世界で戦い、飛躍し続ける松田詩野さんは、大海原を相手にたった一人で波に挑むサーフィンの世界で、どんなときも自分と向き合い、それを楽しむ強さをそなえています。



「サーフィンは自分と向き合えるスポーツ」

 

松田さんは現在プロ選手として、世界大会に出場するほどの実力の持ち主です。なぜそんなにもサーフィンに魅了されたのでしょうか。


サーフィンは海という自然を相手にしています。当然ですが、海から毎回同じ波が来るわけではありません。つまり、一回一回違う波にチャレンジできる。何度でもチャレンジし続けられるのが私にとってのサーフィンの魅力です。だからある意味、どんな波が来ても楽しめる。単なる練習でも、常に自分自身と向き合えるスポーツです。


世界中の海を転戦するなかで、調子のいいときも悪いときもあるはず。メンタルのバランスを取るのも大変です。


「きょうは乗れる気がする」という気持ちで海に入るのと、「良くなさそう」と思って入るのとでは意味が違います。入る前に自分の気持ちが高まって状態がいいときは、本当に調子がいいとき。だからその気持ちを大切にしています。自粛期間中もメンタルトレーナーの人と話すことで頭と心が整理され、課題に取り組むことができました。気の持ちようで状況は変わる。それを海とサーフィンを通して学びました。


人間がコントロールできない、気まぐれな自然相手のスポーツでは、すべてが自分次第、ということもできます。


ただ待っているだけではいい波は来ないんですよね。やっぱり自分で探しに行くことが大切です。それは日常生活でも同じこと。立ち止まっているのではなく、「何かしたい!」と思ったら、自分から行動する。そういうことも海とサーフィンは教えてくれます。




「幸せは誰かとともに感じること」

 

海が松田さんのホームタウン。しかし近年は地球温暖化など、海をめぐる環境問題が深刻化しています。


この先ずっときれいな海でサーフィンを楽しみたいし、海の生態系も守りたい。最近は、海洋プラスチック問題とか自分で調べています。ハワイに行ったときは、在住の選手やオーストラリアから来ていた同じチームの選手と練習していましたが、それぞれマイボトルが支給されて、みんなそれで生活していました。普段から海上がりにゴミを拾ったり、日常では使い捨てのものを減らしたり。努力を続けていきたいです。


サーフィンに親しみ始めた頃に比べて、今のサーファーをめぐる環境の変化については?


私が始めた頃は、女性のサーファーはまだそんなに見かけませんでした。最近少しずつ海で会う機会も増えてきましたが、残念ながらまだ男性がほとんどです。ガールズサーファーがたくさん増えるよう、私がもっとサーフィンを盛り上げたい。


まだ少ない女性の選手として、世界の大会に出場し好成績を残せるようになりました。ファンもサポートしてくれる人もたくさんいます。


応援してくれる人や、家族や友達の存在にはとても助けられていますし、心強い。試合で優勝して、そういう人たちと笑顔でともに喜び合えるのが一番幸せです。ハピネスって自分ひとりではなくて、誰かと一緒に感じることではないでしょうか。


松田詩野が持つFW21ハンモックバッグとアクセサリー


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